3月17日(月)、南港病院栄養科の川勝科長による地域公開講座「身体と脳を若々しく保つ食事」を開催しました。
当日は3月とは思えない肌寒さに加え、急な雨も降り出し、参加者の出足が心配されました。しかし、午後3時前になると次々と暖簾をくぐり、多くの方が来場。特に今回の参加者の半数近くが初参加で、「老人センターや図書館でチラシを見て興味を持った」とお話しされていました。
講座の前半では、栄養の基本についてお話がありました。5大栄養素だけでなく、第6の栄養素といわれる食物繊維についても関心が集まり、会場から質問が飛び交う場面も見られました。
また、「サルコペニア予防」についても詳しく解説があり、参加者全員で『指わっかテスト』を実施。ほとんどの方がふくらはぎにしっかりと筋肉がついていることを確認し、安心の声が上がりました。さらに、筋肉をつけるために必要なたんぱく質の目安もしっかりと学びました。
後半では、認知症予防についての話が展開されました。日本人の認知症の90%以上が「アルツハイマー型認知症」であること、その主な原因とされる「アミロイドβ」の蓄積を防ぐために血糖値管理が重要であることが説明されました。
「血糖値が急激に上がるとアミロイドβがたまりやすい」という説もあり、血糖値が上がりにくい食品についても学びました。会場からは「ご飯を冷やして食べると血糖値が上がりにくいんですよね。レジスタントスターチっていうんですよね。」と、知識を共有する声も聞かれました。
さらに、クイズ形式で食品の血糖値上昇率を比較。「ご飯と比べて、チョコレート、玄米ご飯、せんべい、飴、ビール、ケーキのどれが血糖値を上げやすいか?」という問題を通して、初対面同士でも和気あいあいと意見交換が行われました。特に「ビールはご飯よりも血糖値が上がりにくい」という意外な事実には、多くの参加者が驚かされていました。
栄養の話に続いて、ユマニチュードケアについての講話も行われました。加賀屋の森の矢部施設長が「認知症ともの忘れの違い」について、身近なたとえ話を交えながら解説。ユーモアを交えた説明に会場は笑いに包まれ、認知症をより身近に感じられるひとときとなりました。
次回の地域公開講座は、4月21日(月)15時から開催予定です。テーマは「優しさを伝える魔法のようなケア技法 ユマニチュードについて」。講師は認知症ケアユマニチュード推進部の藤原部長です。
皆様のご参加を心よりお待ちしております!
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