今回の地域公開講座では、中加賀屋グループホーム管理者・渕之上氏による、「認知症の方とのコミュニケーション」について学びました。
まず、参加者全員で認知症体験を行いました。最初のワークでは、ペアを組み、「喜び」「怒り」「疑い」「恐怖」などの感情を表情だけで伝え合いました。しかし、相手の感情を正確に読み取るのは難しく、伝えることの難しさを実感しました。
次に、「動物当てゲーム」を実施。各自の背中に「ぞう」「きりん」「うさぎ」「たぬき」などの動物名を貼り、「はい」「いいえ」「分からない」で答えられる質問のみを使って、自分に貼られた動物を当てるというものです。シンプルなルールながら、適切な質問を考えるのは想像以上に難しく、もどかしさを感じる場面もありました。これが、認知症の方が日常で感じているコミュニケーションの難しさに近い体験なのだと学びました。
また、「介護でしてはいけないこと」として、以下の10のポイントを学びました。
①怒らない
②急がせない
③頑張りすぎない
④分け隔てしない
⑤できることを奪わない
⑥プライドを傷つけない
⑦否定しない
⑧無理強いしない
⑨ヒソヒソ話をしない
⑩自分ひとりで喋らない
さらに、認知症の方の特性として、
・何度も同じことを聞く
・突然怒り出す
・存在しないものが見える
・お漏らしをする
・食事をした後でも「まだ食べていない」と言う
・「お金を盗られた」と主張する
といったケースがあり、それぞれの対処方法についても学びました。
第2部では、「ユマニチュード(認知症に優しいケア)」について、岡嶋氏による実演が行われました。
これらのポイントを実践することで、認知症の方との円滑なコミュニケーションにつながることを学びました。
参加者の皆さんからは、「認知症の方が身近にいるので、とても参考になった」「ワークを通して、相手の気持ちを体験できた」といった感想が寄せられました。講座全体を通じて、認知症の方と向き合うための大切な姿勢を学ぶ、温かな時間となりました。
次回の地域公開講座は、3月17日(月)15:00〜に開催いたします。今回は、南港病院栄養科・川勝科長による「身体と脳を若々しく保つ食事」についての講座です。ぜひご参加ください!
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