平野東図書館前病院の男性患者様の話です。中国の方で全く日本語が通じない方でした。入院して間もない頃は、オムツを外しては放尿しスタッフが交換に追われ困っていました。ある日様子を伺いに行ってみると、泣きながら中国語で何かを訴えているようでした。視線を合わせようと思いましたが混乱しているようでした。少しそばにいましたが、混乱は収まらず一旦退室することに。その際、点滴が漏れていることに気づきました。血管の確保をさせていただきたく再度訪室しました。
ユマニチュードの4 つの柱に則り3回ノック(出会いの準備)、覚醒されているため少しずつ近づき視線があったところで、会いに来ましたと声を掛けました(ケアの準備)。中国語で何を言われているか分かりませんが、一所懸命に返答してくれます。ゆっくりと着陸のイメージで肩に触れ、何か困ったことはないですかと身振り手振りを交えながら尋ねると(知覚の連結)、首を横に振られました。点滴が漏れたため挿入させていただきたいことをお伝えすると、笑顔で頷かれました。手を差し出してくださり、点滴挿入中は手を動かさず協力してくださいました。そして、ご協力いただいたことの感謝の気持ちを伝えました(感情の固定)。また、必ず会いに来ることをお伝え(再開の約束)すると、なんと握手をしてくださいました。
ユマニチュードのおかげで今では、とても入院時に泣いて混乱していた方とは思えないほど穏やかになっています。
推進プロジェクトチーム
平野東図書館前病院
https://hiranohigashi-lib-hp.jp
BACK NUMBER