今日は、夏の感染症として過去10年で最多の感染症が出ている
といわれる「ペルパンギーナ」についてお話します。
大阪府内では4月以降感染者が増え続け、6月には警報レベルの
基準値で「6」を超える状況に。最新の報告では「7.12」と
警報レベルを超えた状態で推移しています。
ヘルパンギーナは5歳以下の子供がかかりやすく、
発熱やのどの痛み、口の中にできる水ぶくれといった症状があります。
その水ぶくれの痛みで食べられない・飲めないために
脱水に陥りやすく注意が必要です。まれに無菌性髄膜炎や心筋炎などの
合併症を呈することがありますが、ほとんどは予後良好です。
ヘルパンギーナの原因は、エンテロウイルスによる感染症で、
手足口病の原因にもなります。エンテロウイルスはアルコール消毒が
効きにくい特徴をもったウイルス。同様にアルコール消毒が効きにくい
ウイルスには、ノロウイルス、結膜炎の原因となるアデノウイルス、
胃腸炎を引き起こすロタウイルスなどがあります。
ヘルパンギーナは接触・飛沫感染、便に排泄されたウイルスによる
糞口感染で広がります。オムツを使っているお子さんがかかった場合、
症状回復後であっても数週間は便にウイルスが排泄されるため、
オムツを交換したあとは流水とハンドソープによる手洗いをしっかり行いましょう。
重症化することがあっても、症状に合わせて行う対症療法で回復します。
手洗い・うがいを中心とした感染対策を習慣づけ、
夏の感染症を予防しましょう!
感染管理認定看護師 中川雅美
南港クリニック 小児科 https://clinic.nanko-hp.com/pediatrician
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