社会医療法人 三宝会 南港病院

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ヒートショックとお風呂

  • 看護部より「身体拘束ゼロを目指して」
2023/11/21

回復期リハビリテーション病棟 看護師長の木部です。

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師から「ヒートショック」のお話です。

ここ数日、冬の寒さを肌で感じるようになりましたね。

「ヒートショック」には注意が必要です!

「ヒートショック」とは寒暖差による血圧の急激な変化に伴う健康被害のことです。身体が冷え切った寒い日、「お風呂で芯から温まりたい」と思う方は多いと思います。

しかし、お風呂の入り方には注意が必要です。



①暖かい部屋から寒い脱衣所に移動し、裸になったところで血管が収縮して血圧は上昇します。

②さらに寒い浴室へ移動したところでさらに血管が収縮し、血圧が上昇します。

③そして、湯船に浸かった途端、血管が広がり血圧が一気に下がります。

この急激な差によって脳や心臓の血管にダメージを与えることをヒートショックといい、入浴中に命を落とす方も少なくありません。

65歳以上の高齢者の死亡事故は毎年11月から4月にかけて多く発生し、厚生労働省人口動態統計(令和3年)から、高齢者の浴槽内での不慮の溺死及び溺水の死亡者数は4,750人で、交通事故死亡者数2,150人のおよそ2倍というデータがあります。1)

血圧の急激な変化は脱衣所と浴室と湯船の中の3つのタイミングで起きています。

【入浴前の注意点】

1.十分な水分補給を行いましょう

一回の入浴で失われる水分は800mlという研究があります2)。また、冬場は喉の渇きを感じにくいため水分が摂りにくくなります。体内から多くの水分が奪われると、脳梗塞のリスクも高まります。入浴前後の水分補給を意識しましょう。

2.飲酒時は入浴を控えましょう

飲酒をすると血管が広がり血圧が下がります。その状態で入浴すると、さらに血管が広がることで血圧が下がり、脳に十分な血液を送ることができなくなり意識障害を引き起こす可能性が高まります。

お酒はお風呂上がりに水分とともに飲みましょう。

3.寒暖差を避けましょう

自宅では浴室をシャワーでお湯張りし、室温を上げることを意識しましょう。

【入浴中の注意点】

1.湯船に入る前にかけ湯やシャワーを浴びましょう

かけ湯やシャワーを浴びることで、体を少しずつ温めることができ血圧の急上昇を抑えることができます。

【当法人の寿楽温泉では】

寿楽温泉には飲み物も用意されており、無料血圧計の準備もあります。

また、湿度も高く更衣室と浴室の寒暖差が少ないこと、お湯の温度も身体に優しい温度となっています。入浴中、もしも体調に不安を感じてもスタッフがいますので安心して入浴できます。

理事長ブログ記事 寿楽温泉は、健康を考えた「ぬるめの温度設定」も併せてお読みください。https://www.nanko-hp.com/archives/chairmanpost/14933

引用

1)政府広報オンライン,2022,「交通事故死の約2倍?!冬の入浴中の事故に要注意!」2022年11月16日 

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202111/1.html2023年11月17日取得)

2)大塚製薬,「入浴前や入浴後に」,大塚製薬佐賀栄養製品研究所データ(2010) (https://pocarisweat.jp/scene/bathing/2023年11月17日取得)

画像引用

看護roo!,「看護師イラスト集」,(https://www.kango-roo.com/ki/2023年11月17日取得)

寿楽温泉https://jurakuonsen.com

回復期リハビリテーション病棟 看護師長

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師

木部由紀