インフルエンザは、2020年以降2シーズン流行がなく、2022年のシーズンも大きな流行がない状態でした。そのため、インフルエンザウイルスに対する免疫力の低下が小児や高齢者を中心に起きていることが想定され、感受性者が増加する可能性があると日本感染症学会は伝えています。
新型コロナウイルス感染症の発生以前は、インフルエンザが冬季の感染症として代表的な存在でしたが、今シーズンのインフルエンザは夏の暑さも残る9月頃から流行の立ち上がりをみせています。コロナ禍と称されるようになってから、私たちも生活の中に「基本的な感染対策」として様々な感染対策を取り入れてきたと思います。
「基本的な感染対策」は、感染症全般に効果が期待できる対策です。現在流行しているインフルエンザにも効果が期待できます。
インフルエンザは飛沫(感染者の咳やくしゃみなどのしぶき)感染という経路で広がるため、対策の中心は感染者の飛沫を遮る、ウイルスを粘膜を通して感染させないことが重要となります。飛沫を遮るマスクの着用(特に人が多く行きかう場所や換気の悪い場所)、ウイルスを運ばないように行う手洗いや消毒、特に人の手がよく触れる場所の清掃が重要なポイントとなります。
感染対策をしていても感染症にかかってしまうことがあります。
残念ながらインフルエンザに感染してしまった場合でも、インフルエンザには治療薬(抗インフルエンザ薬)があります。発症後48時間以内の使用が望まれるので、すみやかに医療機関を受診し、診断・治療を受けましょう。早期の対応が周囲への感染の拡大を防ぐことにもつながります。
特に小児や高齢者は重症化するリスクが高く、発熱による体力の消耗は回復の過程に影響を与えます。重症化を防ぐため、ワクチン接種は副反応を十分理解した上で行うことが望まれます。
当院ではインフルエンザワクチン、コロナワクチンはもちろん、南港クリニックでは小児のワクチン接種も行っておりますので、ぜひ気軽にご相談ください。
感染管理認定看護師 中川雅美
インフルエンザ予防接種について
BACK NUMBER