社会医療法人 三宝会 南港病院

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ブログ

「ケアする人は、相手の力を奪わない人」。 これが、デイサービスのキーワード。

  • 介護部部門より
  • ユマニチュード〜優しさを伝える技術〜
2025/01/10

デイサービスは利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送れるよう支援する事が最大の目的です。 またデイサービスは要介護者が自宅でひきこもりにならないようにサポートする、要介護者の心身機能を維持する、家族の介護負担を軽減するなどの役割も担っています。
その中におけるユマニチュードケアの実践は、接遇面での質の向上や認知症の方が不安を感じることなく、穏やかに本人らしく過ごすために必要不可欠なものだと思っています。
1年前から利用されている70 代のT 様。数年前までは家族の経営する喫茶店で働いておられましたが徐々に認知症の進行がみられ、2年程前より独居生活に支障をきたすようになりました。遠方に住む娘様が定期的にサポートに通っておられましたが介護拒否が強く、しばしば口論になるなど、娘様も精神的に参っているとのことで担当ケアマネジャーからの依頼を受け、利用開始となりました。
当初は警戒心が強く、朝のお迎えに伺っても玄関の扉は少し開けて下さるものの暗い表情で「デイサービス? そんな所知りません」「足が痛くて行けません! お帰りください」…など理由を付けては拒否され、門前払いで終わってしまう日々が続きました。どうしたら心開いてくださるのか、試行錯誤の日々でした。
担当ケアマネジャーや娘様とも相談し、無理強いせず、本人が受け入れてくださるまで根気良く待つという方針に決めました。
ユマニチュードの5原則の1つである『強制ケアをゼロにする。しかしケアを諦めない』を念頭に置き、本人と話す時は目線を合わせて、穏やかに優しい口調で話す事を実践し信頼関係を築いていきました。そのおかげで今では、なんと週3回、デイサービスに通ってくださるようになりました。コンパニオンアニマルのランちゃんと触れ合っている時の表情はとても優しく穏やかで、見ているこちらまで幸せな気分にさせてくれます。毎回お越しいただく度に、お会いできて嬉しい事を伝え、帰る時にはまたお会いしましょうね、と約束しお見送りします。
T 様は認知症の中核症状でもある失行や過度の不安感が見られます。一つひとつの動作の前に丁寧にお伝えしながら、自身の力を奪わないよう支援させていただいております。『ケアする人は何者か?→相手の力を奪わない人である。正しいケアレベルの選択が出来る人であ。』をデイサービスのスローガンとし、利用者様の持っている能力を見極めながら、自律支援と心穏やかに本人らしく過ごせる時間を作れるよう努めてまいりたいと思います。


デイサービスセンターしらなみ 勤続19 年

社会福祉法人健成会 しらなみ
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