中加賀屋3丁目のつるさんかめさんみんなの家は、開設して約3か月になります。
入所者さんたちは、それぞれの個性を発揮して充実した日々を過ごされています。
特に、こちらには各フロアにオープンキッチンがあり、スタッフの呼びかけでお料理にチャレンジすることもよくあります。
野菜の皮むき、食材のカット、調理、盛り付け、食器の洗浄など長年主婦として培った腕前は健在です。
中には、飲食店で働いていた方もいらっしゃって、食材の切り方や味付けのコツなども伝授して頂けます。
「入所前までは男子厨房に入らず」で、包丁を持ったことなどなかった男性も他の入所者からのお誘いで料理のお手伝いをされています。
他の施設から来られた方などは、
「20年ぶりに母が包丁をもっている姿を見ました。ちゃんとできるんですね」と、ご家族からも喜んで頂いています。
当のご本人たちは、まわりからの賞賛や感謝の言葉にまんざらでもないご様子で、笑顔でいることが増え、ご利用者どうしの会話も増えてきました。
普段は、杖を利用して移動されている方が、調理の時には手放しで包丁を使用されるなど日常生活動作(ADL)の向上もみられます。
文献によると、料理をすることは脳を活性化すること。認知症の周辺症状(BPSD)の軽減や生活の質(QOL)が向上することなども明らかになっています。[i]
これからも、入所者さんに誇りと自信をもってその人らしく生活して頂けるよう、スタッフ全員でサポートしてまいります。
https://www.nanko-hp.com/care/group-home
法人営業部 在宅栄養専門管理栄養士 田貝泉
[i] 湯川夏子. “料理療法─ 調理による認知症ケアと予防の効果─.” 日本調理科学会誌 52.5 (2019): 293-298
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